《今月のコース料理の〆》
お客様から圧倒的に支持されています新谷の
炊き込みご飯!
僕は炊き込みご飯も良いのですが、たまには先月〆の坦々麺や、しばらく登場していませんが、鶏肉を煮込んだハヤシライスも面白いかな、っと思って色々とチャレンジしてみたりします、それはそれで一定数のファンがいてくれて「美味しかったよ!」っとの評価を頂くと嬉しくなって、また色々試行錯誤するんですが、やはりお米の力は絶大で
炊き込みご飯をより進化させて行きたい欲が強く出てきます!

さて、何故に新谷の炊き込みご飯が美味しいのか?
自分なりに「美味しい」を紐解いてみました。
まずはやっている事としては
自分で解体した熊野地鶏メスのモモ肉、旨味の強いモモ肉の下位部分(とうがらしと言う部位)を使います。
なぜ上部分を使わないのか!それは上部モモ肉は脂分が多いので〆のご飯の時に脂っぽいご飯になってしまっては嫌なのでさっぱりしてるけど旨味の強い部位を用意します。
それと季節の野菜やひらたけを紀州備長炭で超近火(ネタと炭が当たる位)の圧倒的な火力で丁寧に焼いて紀州備長炭の炭の香りをまとった状態でお皿に移して、ひらたけを下にして上に鶏肉が乗るようにしてしばらく置きます、鶏肉から出て来た肉汁をひらたけが吸う事で、ひらたけが口に入った時に、ひらたけの食感と旨味と地鶏の旨味が出てくれる事を目指してます。それを細かく刻んで冷蔵庫で少し休ませて旨味と香りを落ち着かせます。
お米は新潟県産の地域指定コシヒカリ、割れやカケが無いかを丁寧に見てくれるお米屋さんから分けて頂き、そこに少しのもち米を入れて、
洗米は今は水道水がぬるいので氷水で丁寧に洗い、
洗い上がりはシッカリ水分を切って冷蔵庫に保管。
炊き込みの出汁は、利尻昆布二等級を徹底した温度管理の元ゆっくり出汁を引いて、本かれ節をふんだんに使っての一番だしで仕込んでおります。この一番出汁が炊き込みご飯のベースのお出汁です。
土鍋は中川一辺陶さん雲井がまの土鍋で抱き上げます。土鍋は呼吸するので去年から使い続けてまだまだ1年生ですが良い出汁を吸ってくれてるので、頼れる相棒となってまいりました!
それらを
浸水5分、強火10分、弱火10分、蒸らし15分かけて炊きあげて、最高の状態でお客様にお運びしたいので〆のタイミングを鑑みて浸水をスタートしています!
旨味成分を化学的に分析すると
・地鶏と鰹=イノシン酸
・利尻昆布ときのこ類=グルタミン酸
・きのこ類=グアニル酸
それぞれがオーケストラの様に互いに重なり合い深い旨味となって一杯のお茶碗に凝縮されております!
食べて頂くときっと違いを感じて頂けると思います。
これが僕が今までしたかったお料理です!
世の中には炊き込みご飯は溢れています、お腹は膨れるが薄っぺらい旨味で味気無い、、、だから塩を振って誤魔化したりする。何とも本末転倒な話です。
深い旨味のお料理は少量でも満足します。
先日伺った祇園ささ木さんのお料理も少量でも
それぞれに深い旨味があり満足度も非常に高かったです!
僕はそこを目指したい!
生意気ではありますが一品でも和食屋さんを超えるお料理を出したい!
そう思って仕事に取り組んでおります。
どうぞこれからもお付き合い宜しくお願いいたします。